2021年3月3日開催
第29回 国際金融シンポジウム
「パラダイムシフト~コロナ後の世界経済が目指すべき姿を問う~」
コロナショック後の世界経済は、各国の危機対応策を背景に持ち直しつつあるものの、様々な構造変化が予想されるなかでの景気の回復力や、超低金利の常態化と公的債務膨張、格差拡大やグローバリゼーションの退潮など、先行き不透明感はかつてなく強い状況にあります。世界経済の構造変化や政策面で求められる抜本的転換(パラダイムシフト)についてどう考えるか、国内外から著名な専門家をお招きして議論しました。
パネリストによるプレゼンテーションでは、パンデミック後の各国・地域の回復度合いの違いと今後の展望、米中対立下でのグローバリゼーションの変化、グリーンリカバリーへの政策対応加速等が報告されました。また、パネルディスカッションでは、サプライチェーン見直しや脱炭素などの構造変化も踏まえたインフレ見通し、金融緩和長期化や公的債務増大がもたらす副作用と出口政策のあり方、国家間競争・対立と国際協調のバランスをどう取るのか、といった論点について忌憚ない意見が交わされました。
詳細は各プレゼン資料やOccasional Paper第37号(日本語要旨・英語全文)をご参照ください。
日時 |
2021年3月3日(水曜日) 20:00 - 22:00 (日本時間)、19:00 - 21:00 (SGT)、 |
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進行 | 講演 及び パネルディスカッション |
言語 | 英語(英日同時通訳) |
≪パネリスト≫(敬称略、アルファベット順)
ティム・アダムズ
国際金融協会(IIF)最高経営責任者 資料はこちら
アンドリュー・フォン
香港理工大学 会計・金融学部教授、 資料はこちら
元ハンセン銀行 グローバルバンキング・資本市場部門長
香港理工大学 会計・金融学部教授。元ハンセン銀行 グローバルバンキング・資本市場部門長。銀行業界で30年以上の経歴を有し、ハンセン銀行には2006年に入行。同行の証券、アセットマネジメント、保険等の各子会社を統括。2017年より Henderson Land Development 最高財務責任者(現職)。香港大学にて文学士取得(1981年)、嶺南大学名誉フェロー。
フィリップ・ヒルデブランド 資料はこちら
ブラックロック副会長、元スイス国立銀行(中央銀行)総裁
ブラックロック副会長及びグローバル経営会議メンバー。元スイス国立銀行(中央銀行)総裁。BlackRock Investment Institute(BII)及びサステイナブル投資チーム BlackRock Sustainable Institute(BSI)を統括。スイス中銀総裁在任中は、国際決済銀行(BIS)理事、国際通貨基金(IMF)総務会メンバー、金融安定理事会(FSB)メンバーにも就任。
岡村 健司
財務省 財務官 資料はこちら
1985年大蔵省(現財務省)入省。財務大臣秘書官、東京国税局査察部長、金融庁国際担当参事官などを経て、財務省国際局で審議官・次長・局長を歴任。2020年
7月より財務官。IMFアジア局や山形県へ出向経験あり。東京大学法学部卒、ハーバード大学ジョン・F・ケネディ・スクールにて公共政策学修士号取得。
徐 奇淵
中国社会科学院 世界経済・政治研究所 経済発展研究室ヘッド 資料はこちら
中国社会科学院 (CASS) 、世界経済・政治研究所 (IWEP) のシニア・フェロー。2014年よりIWEPの経済発展研究室ヘッド。中国財政部国際財金合作司アドバイザー。中国のマクロ経済・政策、人民元国際化、米中貿易摩擦とサプライチェーンへの影響を研究。2019年に中国金融四十人論壇に参加、調査部門のディレクターに就任。
ゼティ・アジズ
ペルモダラン・ナショナル(PNB)グループ会長、元マレーシア中央銀行総裁
2000年から16年までマレーシア中央銀行総裁。1997-98年のアジア通貨危機への適切な対応とその後のマレーシア経済回復に貢献。地域間協力の強化やアセアンと東アジア地域での金融統合にも尽力。ペンシルベニア大学より経済博士号を取得。現在、MITスローン経営大学院とマレーシア中央銀行で共同設立したアジア・スクール・オブ・ビジネスの共同校長、PNBのグループ会長を務めている。
≪モデレーター≫
渡辺 博史
国際通貨研究所 理事長
1972年東京大学法学部卒業、同年大蔵省(現財務省)に入省。主税局税制第三課長、同第二課長、大臣官房秘書課長、大蔵大臣秘書官などを経て、国際局長、財務官などを歴任。2007年退官後、一橋大学大学院教授、日本政策金融公庫代表取締役副総裁、2013- 2016年国際協力銀行総裁。2016年10月より現職。