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イベント情報

2024年11月5日(火)
脱炭素についてのェビナー「アジアの脱炭素をどう加速させるか~サステナブルファイナンスの新たな取り組み」を開催いたしました。資料はこちら。

2023年3月9日開催

第31回 国際金融シンポジウム
「不確実性の時代~世界経済は安定を取り戻せるか~」

3月9日(木)、第31回国際金融シンポジウム「不確実性の時代~世界経済は安定を取り戻せるか~」を開催致しました。

世界経済は今大きな岐路に立たされています。パンデミックは徐々に沈静化しつつあるほか、財政支援策が引き続き景気を支えているものの、高止まりするインフレや各国中央銀行による急激な金融引き締めを受けて、経済の減速基調が顕在化しつつあります。また、世界経済・金融市場が安定を取り戻し、分断を回避するためには、拡大した債務の適切な管理や、エネルギー・食糧危機、気候変動、政治的緊張の高まりなど、地球規模課題に対する国際協調も求められています。こうした問題意識のもと、国内外から著名な専門家をお招きし経済政策の諸課題について議論しました。

パネリストによるプレゼンテーションでは、米国のインフレはパンデミック後の大規模な財政出動・金融緩和が影響しており、逼迫する労働市場を冷やさないと高止まりが続く可能性があること、欧州は複数のショックに対し経済・金融両面で対応が出来てきていること、中国経済は不動産市場低迷や人口減などが重石となるなか財政・金融政策が下支えする見込みであること、等が報告されました。また、ASEAN経済についてはコロナ禍を克服しつつある一方で、世界の分断化が経済の下押し要因になりうること、日本政府の成長と分配の好循環に向けた取り組み、ロシアのウクライナ侵攻に対する国際社会の対応、等が報告されました。

 また、パネルディスカッションでは、米国利上げの展望とそれが金融面からアジア・新興国へ及ぼす影響、ウクライナ危機後のネットゼロに向けた金融面での課題、膨張した公的債務をいかに管理していくか、グローバルサプライチェーンの見直しが及ぼす影響、グローバルサウスの台頭と国際協調のあり方、といった多くの論点について活発な議論が行われました。

日時

2023年3月9日(木曜日) 20:00 - 22:00 (日本時間)、19:00 - 21:00 (SGT)、
12:00 - 14:00 (CET)、6:00 - 8:00 (US ET)、3:00 - 5:00 (US PT) 

進行 講演 及び パネルディスカッション
形式 Zoom ウェビナー
言語 英語(英日同時通訳)

≪パネリスト≫(敬称略、アルファベット順)

神田 眞人    資料はこちら
財務省財務官

1987年大蔵省(現財務省)入省。主計局次長、大臣官房総括審議官、国際局長などを歴任、2021年7月より財務官。世界銀行に理事代理や審議役として出向。東京大学法学部卒、オックスフォード大学経済学大学院修了。2016 年よりOECD コーポレートガバナンス委員会議長。


グザビエ・ムスカ  
クレディ・アグリコルCIB最高経営責任者、クレディ・アグリコルS.A.副最高経営責任者
元フランス大統領府事務総長

1989年、フランス財務省に入省し、1990年、欧州局局長に就任。1993年、エドゥアール・バラデュール内閣に技術顧問として参加。2002年~2004年、フランシス・メール経済・財務大臣の主席秘書官に就任。2004年には財務・経済政策局長(DGTPE)に就任し、パリクラブ議長(2005-2009年)、欧州金融委員会議長(2005-2008年)を歴任。2009年、フランス大統領府副事務総長(経済担当)に就任し、2011年に事務総長となる。2000年に国家功労勲章、2008年にレジオン・ドヌール勲章を受章、2022年1月に同勲章のオフィシエに昇格。カルロス3世勲章(スペイン)も受章。パリ政治学院(Sciences Po)および国立行政学院(Léonard de Vinciクラス)卒業。


ジョン・W・スノー  
第73代米国財務長官

2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領から指名され、第73代財務長官に就任。財務省入省以前は、米国有数の運輸会社で会長兼CEOを10年以上務め、産業界で長いキャリアを積んだ。2006年よりサーベラス・キャピタル・マネージメントの会長を務める。バージニア大学で経済学博士号を取得、2人のノーベル賞受賞者に師事。


アマンド M. テタンコ Jr.  資料はこちら
元フィリピン中央銀行総裁

2005年~2017年、2期連続でフィリピン中央銀行総裁に就任し、中銀の主要政策決定機関である金融委員会議長も務めた。現在、ヘルスケア、エネルギー、通信、不動産、ホテル、信用情報などに関わるフィリピンの主要企業の役員を務める。国内外の学術機関の諮問委員会メンバー。アテネオ・デ・マニラ大学で経済学学士号、米国ウィスコンシン大学マディソン校で公共政策と行政(開発経済学)修士号を取得。


張 明           資料はこちら
中国社会科学院金融研究所
副所長兼シニアフェロー

中国社会科学院・金融研究所(IFB)のシニアフェロー兼副所長、中国社会科学院・国家金融発展研究院(NIFD)副院長。中国社会科学院の世界経済政治研究所(IWEP)のシニアフェローとして13年間勤務。2017年から2020年まで平安証券株式会社チーフエコノミスト。研究対象は国際金融と中国マクロ経済。クロスボーダー資本フロー、グローバル・インバランス、人民元為替レートと国際化、中国の金融政策、システミック金融リスク等を研究。著書・査読付き学術論文多数。IWEP入社以前は、KPMGで監査役、アセット・マネジャーズ・グループ(日本)でプライベートエクイティファンドマネージャーを務める。中国社会科学院大学院で博士号取得。 


≪モデレーター≫

渡辺 博史
国際通貨研究所 理事長

1972年東京大学法学部卒業、同年大蔵省(現財務省)に入省。主税局税制第三課長、同第二課長、大臣官房秘書課長、大蔵大臣秘書官などを経て、国際局長、財務官などを歴任。2007年退官後、一橋大学大学院教授、日本政策金融公庫代表取締役副総裁、2013- 2016年国際協力銀行総裁。2016年10月より現職。