2024年3月5日開催
第32回 国際金融シンポジウム
「構造変化への適応~世界経済はどこへ向かうのか~」
3月5日(火)、第32回国際金融シンポジウム「構造変化への適応~世界経済はどこへ向かうのか~」を開催致しました。
世界経済は複数の構造変化と課題に直面しています。インフレ率は低下してきているものの、中央銀行の目標値を依然上回っているほか、地政学的対立の継続や世界的な分断の動きにより不確実性は高い状況にあります。中央銀行による急速な金融引き締めはインフレ抑制に必要な措置であった一方、世界経済が景気後退を回避できるかどうかはまだ不透明です。また、政府債務は歴史的高水準にあり、中長期的な債務の持続性確保が必要です。世界経済が予期せぬ事態に陥ることを回避するために、エネルギー・食糧不足、気候変動問題、脱グローバル化に繋がる政治的緊張の高まりなど、世界の共通課題の解決に向けた対話と国際協調がかつてなく求められています。こうした問題意識のもと、国内外から著名な専門家をお招きし経済政策の諸課題について議論しました。
日時 |
2024年3月5日(火曜日): |
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進行 | 講演 及び パネルディスカッション |
言語 | 英語(英日同時通訳) |
動画 | こちらをクリック |
≪パネリスト≫(敬称略、アルファベット順)
ジョン・カンリフ
前イングランド銀行(中央銀行)副総裁
元中央銀行・政府高官。2013年から2023年までイングランド銀行(英中央銀行)副総裁を務め、金融安定、金融市場インフラ、決済システム、デジタル通貨を担当。イングランド銀行勤務以前は、駐EU英国大使、欧州および国際経済問題に関する英国首相顧問、英国財務省副財務次官を務めた。また、G7およびG20への英国のシェルパとして、イングランド銀行副代表と英国財務省の副代表の役割を担い、国際決済銀行決済・市場インフラ委員会委員長などを歴任。
神田 眞人 資料はこちら
財務省財務官
1987年大蔵省(現財務省)入省。主計局次長、大臣官房総括審議官、国際局長などを歴任、2021年7月より財務官。世界銀行に理事代理や審議役として出向。東京大学法学部卒、オックスフォード大学経済学大学院修了。2016 年よりOECD コーポレートガバナンス委員会議長。
ホーイー・コー 資料はこちら
AMRO チーフエコノミスト
ASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)のチーフ・エコノミストで、ASEAN+3加盟国のマクロ経済と金融市場のサーベイランスを統括する上級管理職。2016年にAMROに勤務する前は、国際通貨基金(IMF)のアジア太平洋部副ディレクター。2001年から2009年までシンガポール金融管理局のアシスタント・マネージング・ディレクター。ロチェスター大学で経済学/数学の学士号、プリンストン大学で経済学の博士号を取得。
アダム・S・ポーゼン 資料はこちら
ピーターソン国際経済研究所所長
ピーターソン国際経済研究所所長。日本の大不況をマクロ経済政策の失敗と分析した最初のエコノミストの一人。 1994年から1997年までニューヨーク連銀にエコノミストとして在籍し、「Inflation Targeting: Lessons from the International Experience」を共著。世界金融危機に見舞われた2009年から2012年にかけて、イングランド銀行金融政策委員会メンバーを務めた。2014年、英国経済政策への貢献が認められ、名誉大英帝国勲章(CBE)を授与された。2021年、日本の経済政策と日米関係への貢献が認められ、天皇陛下より旭日中綬章を受章。ハーバード大学にて学士号・博士号を取得。
≪モデレーター≫
渡辺 博史
公益財団法人 国際通貨研究所 理事長
1972年東京大学法学部卒業、同年大蔵省(現財務省)に入省。主税局税制第三課長、同第二課長、大臣官房秘書課長、大蔵大臣秘書官などを経て、国際局長、財務官などを歴任。2007年退官後、一橋大学大学院教授、日本政策金融公庫代表取締役副総裁、2013年から2016年まで国際協力銀行総裁。2016年10月より現職。