2021年12月23日開催
中国ミニウェビナー
『質の高い発展』を目指す中国経済と金融政策の展望
中国は「新発展理念」に基づく質の高い発展を目指し、その一環として、重大リスクの防止を掲げ、金融リスクの削減、デ・レバレッジに取り組むとともに、金融面からの不動産規制を強化しています。本ミニウェビナーでは、こうした動きを踏まえ、中国の足元のマクロ経済や構造改革、金融規制、金融政策の動向を概観し、今後を展望しました。
パネリストによるプレゼンテーションでは、福本氏より、中国経済の中長期的な成長見通し、景気の現状と2022年の見通し、不動産・金融のリスクと見通し、政策動向について、また、北京から参加した小原氏から、中国経済の牽引力、「共同富裕」と「経済発展」、日系企業動向について説明頂きました。不動産市場変調によるリスクについて2022年中は注意深く見守る必要があるが、中国が幾分減速しつつも中長期的に発展を続けることについては楽観視できるとの見方が示されました。
パネルディスカッションでは、今年の規制強化についての見方、「共同富裕」との関係、不動産ディベロッパーの破綻処理とマクロ経済への影響、金利・為替動向について、パネリストから意見を伺い、福本氏より、中国には社会主義の理想に近づこうとする動きと改革開放を継続していくという動きがあり、両者の微妙なバランスの中で前進を続けるとの見方が示されました。小原氏からは、中国は「共同富裕」を掲げつつ安定を最重視するとの見方が示され、2022年下半期に第20回党大会を控える中国の経済に関して理解を深めることができました。
詳細は各プレゼン資料をご参照ください。
日時 |
2021年12月23日(木曜日)午前10時~午前11時15分(日本時間) 午前9時~午前10時15分(中国時間) |
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主催 | 公益財団法人 国際通貨研究所 |
言語 | 日本語のみ(英語の同時通訳はございません) |
進行 | 講演 及び パネルディスカッション |
パネリスト(敬称略、順不同)
福本 智之 資料はこちら
大阪経済大学 経済学部 経済学科 教授(元日本銀行国際局長)
1989年日本銀行入行。2000年在中国大使館一等書記官。2010年日本銀行国際局総務課長、2012年北京事務所長、2015年北九州支店長、2017年国際局審議役(アジア担当総括)、2020年国際局長を歴任、2021年3月日本銀行退職を経て、2021年4月より大阪経済大学経済学部教授に就任。 1989年京都大学法学部卒業、1995年香港中文大学、1996年対外経済貿易大学留学、2008~2009年ハーバード大学ケネディ行政学院フェロー。中国の金融経済に関する業務、調査研究に長年携わる。
小原 正達 資料はこちら
MUFGバンク(中国) 副董事長
1984年東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。1987年復旦大学留学。中国勤務は上海2回、北京2回計15年。2009年当社商品開発部長、投資銀行部長、副社長を経て2016年より現職。現在、中国日本商会副会長、アジア金融協力協会副会長、中国銀行業協会外資工作委員会副主任等兼職。2017年上海市銀行協会「個人貢献賞」、2019年中国経済信息社「上海金融業イノベーション人物賞」受賞。東京外国語大学外国語学部卒業、ビジネスブレークスルー大学大学院経営管理修士課程修了。
モデレーター
梅原 直樹
国際通貨研究所 開発経済調査部 上席研究員
1989年東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。1989年日比谷支店、1991年台湾師範大学国語教学センターにて中国語語学研修、1992年広州駐在員事務所、1994年大阪支店、1999年グローバル企業企画室、同年外務省出向(現欧州局中央アジア・コーカサス室)、2002年経済協力部。2004年以降、国際業務部、アジア・中国部、アジア企画部等で中国関連業務に従事。2014年より公益財団法人国際通貨研究所出向(現職)。1989年東京大学教養学部教養学科卒業。