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2023年10月27日開催

国際通貨研究所  日本の財政ウェビナー

『日本の財政運営を考える~英国トラス前政権下の混乱から学ぶべきこと~』

日本では、防衛費増額や少子化対策で歳出が一段と膨らむ方向にあり、財政状況の悪化に歯止めがかかりません。他方、英国では、昨年秋にトラス前政権が発表した成長戦略は財源の裏付けがなく、独立財政機関である予算責任局(OBR:Office for Budget Responsibility)の予測を示さなかったことから財政の持続性への懸念が高まり、ポンド相場や英国債の急落といった金融市場の混乱を招きました。

本ウェビナーでは、こうした英国の経験から日本は何を学び、今後どのような財政運営をするべきかという視点から議論しました。パネリストによるプレゼンテーションでは、英国におけるトラス前政権期の財政運営を巡る混乱とその背景や財政規律の枠組み、日本の財政の現状と取り巻く環境、抱える課題などが紹介されました。パネルディスカッションでは、日本と英国の金融・財政状況の違い、日本の財政運営の課題と必要な視点、英国の経験を踏まえた日本への示唆などについて活発な意見交換が行われました。

 

日時

2023年10月27日(金曜日)午後2時 ~ 午後3時30分(日本時間)

主催 公益財団法人 国際通貨研究所
言語 日本語(日英同時通訳付き)
内容 講演 及び パネルディスカッション

パネリスト (五十音順)

 

伊藤 さゆり                   資料はこちら
株式会社ニッセイ基礎研究所 経済研究部 常務理事

1987年早稲田大学政治経済学部卒。2005年同大学大学院商学研究科修士課程修了。日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て、2001年ニッセイ基礎研究所入社。2023年より現職。早稲田大学商学学術院非常勤講師(2015年度~)。経団連21世紀政策研究所研究委員(2017年~)など兼務。 近著に『EUと新しい国際秩序』(日本評論社、共著)、『沈まぬユーロ』(文眞堂、共著)など。

 

 

柳川 範之
東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授

1988年慶應義塾大学経済学部通信教育課程卒業、1993年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。慶応大学専任講師、東京大学助教授、同准教授を経て、2011年より現職。新しい資本主義実現会議有識者議員、内閣府経済財政諮問会議民間議員、東京大学不動産イノベーション研究センター長など。

 

 

モデレーター

 

渡辺 博史
公益財団法人 国際通貨研究所 理事長

1972年東京大学法学部卒業、同年大蔵省(現財務省)に入省。主税局税制第三課長、同第二課長、大臣官房秘書課長、大蔵大臣秘書官などを経て、国際局長、財務官などを歴任。2007年退官後、一橋大学大学院教授、日本政策金融公庫代表取締役副総裁、2013-2016年国際協力銀行総裁。2016年10月より現職。