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イベント情報

2025年3月24日(月)為替市場についてのウェビナー「歴史的な円安の背景と企業の海外事業活動への影響からみた日本経済へのインプリケーション」を開催いたします。お申込みはこちら

2025年2月17日開催

中国ウェビナー       

『混迷深まる中国経済-足元の政策対応と今後の展望』

国際通貨研究所では「混迷深まる中国経済-足元の政策対応と今後の展望」と題して、下記の通りウェビナーを開催いたしました。

中国経済は、内憂外患が続いています。2024年の実質経済成長率は5.0%と年初計画を達成しましたが、街で聞かれる景況感は楽観を許しません。消費が振るわず、輸出と製造業投資で成長率を底上げしたものの、2025年1月の米国トランプ大統領の再登場で外需が減速し、短期的に成長率が押し下げられる懸念があります。不動産不況は継続しており、政府は2024年秋以降、金融緩和と積極財政策を打ち出していますが、地方政府の隠れ債務問題の処理等で銀行資産の不良化を招く恐れもあり、将来は見通せません。産業政策の推進は熾烈な価格競争を呼んで、民営企業は疲弊、国外ではデフレ輸出の批判も出ていて、中期的の潜在成長率は今後も低下するとみられます。

本ウェビナーでは講師よりデータ豊富な資料に基づき中国の短期経済動向と政策対応、中長期見通しについての詳細な解説が行われました。さらに近年注目を集める不動産問題とその行方、米中対立とデリスキング、外資企業の中国ビジネスの動向については深彫りされたプレゼンテーションが行われました。特に不動産問題については当局が解決に向けて動き出しているが長い時間を要するとの見通しが示され、その処方箋についての講師の見立ても紹介されました。質疑応答セッションでは消費が弱い一方で、厳しい競争環境の中からグローバル企業が生まれてくる強さなど、中国社会の多面性や、進捗が緩慢な人民元国際化についても意見が交わされました。

 

日時

2025年2月17日(月曜日)午後3時~午後4時15分(日本時間)

主催 公益財団法人 国際通貨研究所
言語 日本語のみ(英語の同時通訳はございません)
進行 講演 及び ディスカッション

パネリスト(敬称略)

 

福本 智之       資料はこちら
大阪経済大学 経済学部 経済学科 教授(元日本銀行国際局長)

1989年日本銀行入行。2000年在中国大使館一等書記官。2012年北京事務所長、2015年北九州支店長、2017年国際局審議役(アジア担当総括)、2020年国際局長を歴任、2021年日本銀行退職を経て、2021年より大阪経済大学経済学部教授に就任。株式会社経営共創基盤シニアフェロー、東京財団政策研究所研究員。1989年京都大学法学部卒業、1995年香港中文大学、1996年対外経済貿易大学留学、2008~2009年ハーバード大学ケネディ行政学院フェロー。中国の金融経済に関する業務、調査研究に長年携わる。近著に『中国減速の深層 「共同富裕」時代のリスクとチャンス』(日本経済新聞出版)。

 

モデレーター

梅原 直樹
国際通貨研究所 開発経済調査部 上席研究員

1989年東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。1989年日比谷支店、1991年台湾師範大学国語教学センターにて中国語語学研修、1992年広州駐在員事務所、1994年大阪支店、1999年グローバル企業企画室、同年外務省出向(現欧州局中央アジア・コーカサス室)、2002年経済協力部。2004年以降、国際業務部、アジア・中国部、アジア企画部等で中国関連業務に従事。2014年より公益財団法人国際通貨研究所出向(現職)。1989年東京大学教養学部教養学科卒業。