直先スプレッドと先物相場の算出方法
直物相場と先物相場の開きを直先スプレッド(スワップポイント)といい、通常、2通貨間の金利差を反映しています。先物相場は直物相場をベースに、直先スプレッドを調整して算出されています。基本的に、金利の高い通貨の先物相場は直物相場より安く(先物ディスカウント)、金利の低い通貨の先物相場は高くなります(先物プレミアム)。例えば、日米金利差は、例外的な時期を除いては常にドル金利の方が高かったので、ドル円の先物相場は、ほぼ常に直物よりも円高・ドル安の水準にあります。繰り返しになりますが、先物相場はその通貨が将来高くなるのか安くなるのかという思惑ではなく、2通貨の金利差から算出した直先スプレッドを直物相場に加減することで決まるのです。
先物相場が決まるしくみをみていきましょう。簡単な計算例として、
為替相場が1ドル=112円
3カ月物の円の金利が年利0.01%
ドルの金利が年利1.1%
運用する円資金を112万円(112円×10,000ドル)とします。
3カ月間、円で運用した場合の元利合計額は、{112万円×(1+0.0001×3/12)}=112.0028万円です。
ドルに換えて運用した場合は{10,000ドル×(1+0.011×3/12)}≒10,027ドルとなります。
ここで円とドルのいずれで運用しても成果が同じになる相場は1ドル=111円70銭(112.0028万円=10,027ドル×Y Y≒111.70円)で、これが先物相場になります。