1998年度
1998年度のテーマ
1.アジアの為替資金市場の発展に向けて
1997年のアジア通貨危機により、アジア各国の為替資金市場の多くで為替相場制度変更や大きな構造変化を経験することとなりました。今後のアジアの経済復興を支えていくためにも、厚みを持つ効率性の高い市場を育成していくことは急務であり、アジアの各市場におきた変化を的確に把握した上で、市場参加者の実務的な視点も十分に取りこんで各市場の問題点を明らかにするとともに、各市場の将来展望を描いていきたいと考えています。
(1998年4月)
2. ユーロは成功を収められるのか?
1999年1月よりユーロが導入されることは明らかとなり、ユーロをめぐる関心はユーロ導入後の様々な問題に移っていると言えます。私どもは、新たに出現する巨大通貨ユーロが成功を収められるのか、あるいは、成功を収めるためにはどうすればよいのかという基本的な問題意識をベースに、ユーロ導入後の様々な論点について調査を進めていきたいと考えております。
(1998年4月)
3.新興国における通貨為替政策のあるべき姿は?
1997年のアジアに端を発する経済開発途上の新興国の経済危機の原因のひとつとして、為替・通貨政策の誤りを指摘する向きも少なくありません。新興国においては、開発政策がどのように戦略的に推進され、そしていかなる為替・通貨政策が採られてきたのだろうか? そしてまた、今後どのような政策選択が考えられるのか? 私どもは、アジア、ラテンアメリカ、東欧をフィールドに、この問いに対する答えを模索していきたいと考えています。
(1998年7月)
4.外務省研究会 「国際経済・金融システム研究会」
1997年にアジアで発生した経済金融危機は、その後更にロシア、ブラジル等の新興諸国にも波及した。こうした一連の危機は、ブレトン・ウッズ体制を軸とする戦後の国際金融・経済システムが、グローバリゼーションの進展に伴って、新たな課題に直面しつつあることを示しているのではないだろうか。私どもは、そのような問題意識に基づいて、金融、投資、開発及び為替制度等の諸分野から国際金融・経済システムの新たな枠組みを模索し、併せて、アジア・太平洋地域における取り組みのあり方、日本としての貢献のあり方を検討していきたいと考えています。
(1999年1月)