2008年度
2008年度のテーマ
1.東アジア資本市場調査
「東アジア地域における資本市場(株式および外為規制等)の地域協力の可能性等に関する調査」
東アジア地域における長期的な経済発展を実現する上で、資本市場とりわけ地域内の株式市場を発展させて株式投資を活性化させることが重要な課題であるとの認識のもと、アジア諸国の株式市場の現状と課題を明らかにし、ASEAN域内における地域協力の具体的な施策として考えられるものを提言しました。
2.経常収支不均衡と資本フローに関わる調査
「世界の経常収支不均衡の動向と長期金利等に与える影響に関する調査」
アジア通貨危機以降の世界の経常収支不均衡の拡大により、何がもたらされたのか。現在、世界の経常収支不均衡が縮小しつつあるなかで、長期金利をはじめ経済・金融面にどのような影響を与えうるのか。グローバル金融危機や世界同時不況と経常収支不均衡とはどのような関係にあるのか。こうした問題意識の下、各国の財政出動、金融緩和政策、金融機関への公的資金投入などの政策は、経済、金融、経常収支不均衡にどのような影響を及ぼすのかについて調査分析を行いました。
「日本の投資立国実現に向けての課題に関する調査」
我が国では、所得収支の黒字幅が急速に拡大しており、海外からの収益は貿易黒字だけではなく対外投資収益も糧とする構造に転換しつつあります。こうした問題意識の下、我が国の金融部門の対外投資にスポットライトをあて、そのビジネス展開につき検証し、今後の我が国の対外投資収益拡大のためのインプリケーションについて考察しました。
3.政府開発援助(ODA)、その他公的資金協力(OOF)にかかわる調査
「湾岸地域新興ドナーにかかわる調査」
サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦を中心とする湾岸地域新興ドナーからの資金フロー全体を把握し、その中で途上国に対する援助資金フローの規模、位置づけ等を調査して、今後の湾岸地域新興ドナーとの連携・協力関係の在り方、構築方法等についての提言をまとめました。
「マレーシア向けアンタイドローンの事後評価調査」
マレーシアに供与したアンタイドローンについて、現地出張を含めたヒアリングを実施し、事業評価報告書をまとめました。
4.その他個別テーマ
その他、以下のテーマについての調査レポートを作成しました。
・中南米諸国の経済調査、経済指標
・中東欧に忍び寄る金融・通貨危機のリスク ~膨張した経常収支赤字の調整が不可避となる時~
・誕生10年目を迎える欧州統一通貨ユーロ ~国際通貨としての現状と展望~
・中国における環境金融の最新動向調査
5.国際コンファレンス
「決済システムの強化を考える―アジアにおける決済の円滑化と資金循環の活発化―」
金融庁金融研究研修センター・慶応義塾大学グローバルCOE・アジア開発銀行研究所共催による国際コンファレンス開催にあたり、その企画運営を担当しました。同コンファレンスには国内外から多数の研究者が参加し、アジアにおける決済の円滑化と資金循環の活発化に向けた今後の課題について活発な議論が行われました。