当研究所のレポートを地域別、テーマ別に検索することができます

イベント情報

2024年11月5日(火)
脱炭素についてのェビナー「アジアの脱炭素をどう加速させるか~サステナブルファイナンスの新たな取り組み」を開催いたしました。資料はこちら。

2005年度

2005年度のテーマ

1.東アジアの域内金融協力に関する調査・研究

「東アジアの政策協調と政策手段」
ASEAN事務局より委嘱を受け、東アジア各国の為替管理や通貨の非国際化の状況、欧州の経験を踏まえながら、東アジアにおける通貨バスケット制の段階的導入を中心に、将来の域内政策協調のあり方について、具体的な検討、提言を行いました。当研究所は、取りまとめ機関(lead institution)としてシンガポ-ル、マレ-シア及び韓国の研究機関と共に報告書をまとめました。

「東アジアにおける域内の為替安定や金融危機の防止に関する金融協力」
2003年に設置された東アジア・シンクタンク・ネットワーク(NEAT)は、ASEAN+3首脳プロセスへの提言機能を果たしていますが、財務省よりの委嘱により金融分野について中長期的観点から検討するWorking Groupを立ち上げ、報告書を作成しました。

2.通貨・為替制度に係る調査・研究

「通貨・為替制度に関する研究会」
通貨・為替制度についての理論的及び実証的研究の成果についての論点をまず整理した上で、アジア地域における今後の通貨・為替制度のあり方につき色々な角度から実践的な議論を行い、委員の報告や研究会での議論のポイントを取りまとめました。研究会には学界、シンクタンク、金融機関、格付機関等から中堅の研究者が参加しました。
研究会では、香港・シンガポ-ルから現地の市場関係者を招聘して意見交換を行った他、各国の金融市場の実態把握・関係者との意見交換のために当研究所がマレ-シア、インドネシア、シンガポ-ル及びタイに出張しました。

3.アジア債券市場の育成に関する技術支援

「ベトナム債券市場における決済機構整備に関する技術協力」
昨年度に引き続き、ベトナム資本市場の中核となる債券市場振興のための技術協力を行いました。2005年度は、2006年に設立が予定されているベトナム証券預託機構における決済システム開発について、国家証券委員会の職員を中心としたワーキング・グループを立ち上げ、短期集中的に問題点を議論し、その議論の内容、結果をワークショップの形で関係者にフィードバックしました。また、2006年5月に国会へ上程が予定されている証券法のうち特にベトナム証券預託機構にかかわる条文について、2004年度に行った検討を踏まえ、改めて法案内容の確認を行いました。

「本邦金融機関/多国籍企業から見た円の国際化推進のための方策に関する調査・研究」

  1. 中韓ASEAN諸国の金融規制と日系企業の業務展開
    中国、韓国、タイ、マレーシア、フィリピン及びインドネシアについて、各国別に金融関係の主要な規制内容を把握し、それぞれ進出している日系金融機関及び日系企業の業務展開上どのような支障を来たしているのか、また、これを除去するためにどのような提案を現地当局に対して行うべきか、という観点から調査を行いました。
  2. 東京金融市場の活性化
    これまでの東京金融市場のインフラ整備を踏まえた上で、特に資本市場関係を中心に、調達・運用両面でどのような問題点が残っているのか、特に非居住者にとっての利便性という観点に立って実務的な角度から調査を行いました。
  3. ベトナムにおける円建て貿易金融利用に向けての促進策
    ベトナムの中央銀行であるState Bank of Vietnam (SBV)とワーキング・グループを組成し、ベトナムに進出している3邦銀がベトナムの銀行に円資金を供与し、ベトナムの銀行がその円資金をベトナムの企業に転貸することにより円建て貿易金融を提供するというスキームの下で、具体的取引(パイロット案件)の成約実現を目指して側面支援活動を行い、実現の一歩手前まで漕ぎ着けました。

「米国の対外投資分析と開発途上国及び我が国へのインプリケーション」
米国の対外純債務額は累増、増加しているものの、対外直接投資の収益受取額が対米直接投資収益の米国支払額を恒常的に上回って推移し、所得収支は黒字を維持しています。この状況は持続可能かどうかとの問題意識のもとで、米国の対外直接投資収益率が外国の対米直接投資収益率を恒常的に上回ってきた背景を探り、米国の直接投資の収益率の短期的な見通しを展望したほか、面談調査により代表的な米国企業の海外直接投資の運営状況について情報を入手しました。さらに、米国の経常収支が維持可能な所得収支の水準について、シミュレーションを試み、米国の対外投資と開発途上国の経済発展との関連についても考察しました。

4.東アジアにおける決済システムの将来像

2004年末から2005年初にかけて行った調査(アジア開発銀行委嘱)をさらに発展させ、東アジアにおける証券、資金決済システムの問題点と将来像につき、さらに検討を進めました。また、国際ワークショップ等の場を活用して対外発表や意見交換を行いました。

5.各国銀行セクター調査

「バングラデシュにおける中小企業金融の調査」
バングラデシュにおける中小企業金融の実態についてその成長阻害要因に焦点をあてながら、バングラデシュ銀行による中小企業支援策、地場金融機関の中小企業金融への取り組みを分析しました。また、国際協力銀行を中心とした我が国による支援の方向性について提言を行いました。

「インドネシアの銀行セクター調査」
インドネシア共和国の銀行セクターについて、アジア金融危機の後遺症とその後の金融改革の成果について分析しました。更に銀行セクターと企業グループとの関係、銀行経営上の問題点等を踏まえながら、同国銀行セクターについて総合的に評価しました。

「フィリピンの銀行セクター調査」
フィリピン共和国の銀行セクターに対する監督当局の機能と役割、銀行セクターの不良債権処理の現状を分析しました。また、同国銀行セクターの今後の課題と対応策について展望しました。

6.アジア大洋州主要国輸出入銀行の調査

アジア大洋州主要国(豪州・中国・インド・インドネシア・韓国・マレーシア・フィリピン・タイの8カ国)の輸出入銀行及び同種の機能を有する機関について各々の概要を調査し取り纏めました。また、これに加えてベトナムで現在新設が検討されているベトナム開発銀行新設構想についても関連した最近の動向について分析しました。

7.インド:インフラ整備における官民協力

インフラ整備のニーズの高いインドでは、民間資金活用のスキームとして、Public Private Partnership(PPP)の利用が進んでいます。同国タミールナド州の水道事業を例に官民協力の実態と問題点を分析、当該システムに関わる円借款利用の可能性、具体的形態について提言しました。