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イベント情報

2024年11月5日(火)
脱炭素についてのェビナー「アジアの脱炭素をどう加速させるか~サステナブルファイナンスの新たな取り組み」を開催いたしました。資料はこちら。

金利平価

現在のドル円為替相場が1ドル=112円、3カ月ものの円金利が年利0.01%、同じくドル金利が1.1%の場合、3カ月の先物為替相場を計算すると1ドル=111.70円で(後述「直先スプレッドと先物相場の算出方法」ご参考)、直先スプレッドは30銭(111.70円-112円=▲0.30円)です。これを年率に換算すると0.30×12/3÷112×100=1.07%となり、ドルと円の金利差の1.09%とほぼ一致します。このように金利差と直先スプレッドが一致している状態を「金利平価が成立している」といいます
金利差と直先スプレッドが乖離しているとき、すなわち「金利平価が成立していない」ときはどのようなことが起きるでしょうか。分かりやすくするために、3カ月の先物相場も直物相場同様1ドル=112円だとします。この時に直物で10,000ドル買って年利1.1%で運用すると同時に、3カ月先物の10,000ドル売り予約を行えば、3カ月後には10,027ドルを確実に112.3024万円(112円×10,027ドル=112.3024万円)に換えることができます。為替リスクなしで、円とドルの金利差1.09%だけ、ドルで運用する方が円よりも有利になる(金利差益が発生する)のです。このような状況では、ドルの直物買い・先物売りが活発に行われることでしょう。結果、ドルの直物相場は上昇、先物相場は下落し、直先スプレッドは前述の金利差益を打ち消す水準までドル先安の方向に拡大していきます。この例ではドルの先物相場は112円から111.70円に近づいていくのです。このように、通常は金利平価が成り立ちます。