国際収支統計
国際収支統計は、ある期間において、ひとつの国・地域の居住者が非居住者との間で行ったあらゆる対外経済取引を、体系的に記録した統計です。IMFは国際収支マニュアル第6版を2008年12月に公表し、日本の国際収支も2014年1月からこれに準拠して作成されています。
国際収支は以下の3つの収支と誤差脱漏で構成されます。
①経常収支
イ)実体取引である財貨(物)の輸出入およびサービス取引を示す、貿易・サービス収支、ロ)投資の配当金・利子の受払を示す第一次所得収支、ハ)寄付・贈与のような対価を伴わない資産提供があった場合の受払を示す、第二次所得収支の合計です。
②資本移転等収支
対価の受領を伴わない固定資産の提供、債務免除、非生産・非金融資産の取得・処分(例:特許権などの知的財産権、販売権、譲渡可能な契約の取得・処分、大使館あるいは国際機関による土地の取得・処分)の収支です。
③金融収支
居住者と非居住者との間で行われた、債権・債務の移動を伴う金融・資本取引の収支、および外貨準備の増減の合計です。
各取引は複式計上方式、すなわち貸方と借方にそれぞれ計上されます。例えば、ある製品が輸入された場合、製品の輸入は経常収支に、製品の輸入代金は金融収支にそれぞれ計上されます。このため、経常収支+資本移転等収支-金融収支+誤差脱漏=0となります。