高金利通貨
高金利通貨とは、政策金利(中央銀行が金融政策の手段として操作する金利)など金利水準が高い国の通貨を指します。自国を基準にしてある国の金利が高いか否かの比較になるため、「高金利」の認識は国によって異なります。低金利である日本からみると他の多くの国の通貨は高金利になりますが、一般的には、先進国ではオーストラリア・ドルやニュージーランド・ドル、新興国ではメキシコ・ペソ、トルコ・リラ、南アフリカ・ランドなどが挙げられます。
高金利通貨は高い利回りを享受できる反面、当該国の政治・経済基盤の脆弱性によるリスクも抱えている点に注意を要します。またマイナスの事態が発生すると、その国の株、債券、為替相場などのボラティリティ―(価格変動性)が大きくなりやすい特徴があります。
主なリスクとしては、政治的な不透明性・不安定性、地政学的なリスク、経済成長率の低迷、市場の不完全性、高インフレ、比較的高水準の経常赤字および対外債務などが挙げられ、結果、金利や為替相場の急激な変動につながる可能性があります。
高金利通貨の動向を予測する際には、金利や為替相場の急な変動を念頭におきつつ、その国の政治や経済情勢に注視する必要があります。